zarazara

2026.11.06

住環境の大切さ

こんにちは。訪問リハビリ担当のSです。


私は主に患者様のご自宅に伺ってリハビリをすることが多いためあまりクリニック内にはいませんが

おりましたらいつでもお声がけください!


私たちにとって、家は一日の多くの時間を過ごす大切な場所です。食事をしたり、お風呂に入ったり、家族と過ごしたりと、日々の暮らしの中心となっています。自分にとって安心できる場所であり、心も身体も休めることができる場所でもあります。そんな住環境ですが、実は私たちの健康や生活のしやすさに大きく関係しています。


特に、年齢を重ねたり、病気や怪我を経験したりすると、今まで当たり前に過ごしていた家の環境では生活しにくくなる場合があります。例えば、今まで何も気にせずに上がっていた玄関の段差を越えることが難しくなったり、浴室の床が滑りそうで怖く感じたり、階段を上り下りすることが大変になったりすることがあります。これまで何気なく行っていた動作でも、身体の状態が変化することで不安や負担を感じるようになるのです。

そのような状況を改善するためには、リハビリテーションを行い、身体機能の維持・改善を目指すことはもちろん大切です。しかし、それと同じくらい住環境を見直すことも大切だと考えています。

私は、ご自宅に訪問してリハビリを提供する訪問リハビリテーションに携わっています。リハビリを行うにあたって、利用者様と一緒に「目標」を決めることを大切にしています。目標を考える中で、「自分のことは自分でしたい」「家族に迷惑をかけたくない」といった声をよく耳にします。


そのような思いを実現するために、手足などの身体機能の改善を目指すことはもちろんですが、ご自宅の環境を見直し、安全に自立した生活を送ることができないか、多職種で連携しながら考えていきます。

例えば、いつも座っている椅子から立ち上がることが大変であれば、椅子の座面を高くしたり、肘掛けのある椅子に変更したりすることで立ち上がりやすくなる場合があります。食事の際に姿勢が崩れてしまうのであれば、机や椅子の高さを調整したり、食器の位置を工夫したりすることで、食べやすくなることもあります。また、玄関やトイレ、浴室など、移動や立ち座りに不安がある場所に手すりを設置することも有効です。介護保険を利用して福祉用具をレンタルしたり、住宅改修を行ったりする方法もあります。


このように、大きな工事をしなくても、家具の配置や高さを少し変えるだけで生活がしやすくなることがあります。反対に、使い慣れた家具や長年過ごしてきた家の造りが、知らないうちに生活の妨げになっていることもあります。大切なのは、今の身体の状態や生活動作に合った環境になっているかを確認することです。

また、住環境を整えることは、転倒などの事故を予防するだけでなく、本人の安心感にもつながります。「一人でトイレに行ける」「安心してお風呂に入れる」「自分で椅子から立ち上がれる」といった小さな成功体験が、自信や意欲につながることもあります。さらに、本人ができることが増えることで、介助するご家族の身体的・精神的な負担を軽減することにもつながります。


もちろん、住環境を整える際には安全面への配慮が欠かせません。手すりを設置すれば必ず安全になるというわけではなく、設置する位置や高さ、使う方の身体状況によって適切な方法は異なります。そのため、理学療法士や作業療法士、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員など、それぞれの専門職が意見を出し合い、ご本人やご家族の希望を確認しながら環境を整えていくことが大切です。


ご自宅で自分のできることが増えてくると、徐々に外にも目が向くようになります。「どこかに出かけたい!」「趣味を再開したい!」「また自分で料理がしたい!」など、新たな目標や楽しみが見えてくることもあります。家の中での生活が安全で快適になることは、単に日常生活を送りやすくするだけでなく、その先にある社会参加や趣味活動、他者との交流など、生活の幅を広げるきっかけにもなるのです。そして、楽しみや生きがいを持って活動することは、身体機能や生活意欲の維持にもつながり、介護予防という観点からも大切だと考えています。

もし、ご自宅で生活する中で「以前より動きにくくなった」「この動作が少し怖い」「家族の手を借りないとできなくなった」と感じることがあれば、一度住環境を見直してみてはいかがでしょうか。身体の機能を改善することだけでなく、環境を工夫することで解決できることもあるかもしれません。


年齢を重ねても、病気や怪我を経験しても、住み慣れたご自宅で安心して自分らしく暮らし続けられることは、とても大切なことです。私たちは、利用者様一人ひとりの思いや生活に寄り添いながら、身体面だけでなく住環境にも目を向け、その方らしい生活の実現に向けて支援してまいります。