zarazara

2023.11.11

MELTz(メルツ)ー手指運動リハビリテーションシステムー

11月から当院にMELTzという最新の機械が導入となりました。

と、言いましても3週間限定のデモです。購入予算がありません。。


将棋のAI判定からchatGPTまで様々な場面でAIの進化が取りだたされますが

リハビリの世界においても例外ではありません。


手の運動は非常に細かく緻密であるがゆえにその回復には難渋することが多く

私たちが治療プログラムを選定する際にもとても頭を悩ませる要素です。


単に「動く手」ではなく「使える手」を目指すに当たっては大きな壁があるのです。


これまでも様々な電気刺激などの機器(デバイスと言ったりします)が開発・応用されてきており

当院でもその一部を導入しています。


では今回のMELTzの特徴はなんでしょうか。


簡単にまとめると「AIが動かそうとする筋肉のほんのわずかな信号も拾い上げて、それをうまく

その人に合わせた動作に変換してアシストしてくれる」というものです。


さらにまとめると「コップを持とうと思って手を動かそうとしたときにその信号をAIが感知して

コップを持つまでの動作をサポートしてくれる」ですかね。


これまでも動かそうとしている筋の信号を拾ってその筋を刺激して動きをサポートするデバイスはありましたが、MELTzはAIによる独自のアルゴリズムで信号を解読します。


こんな具合で装着して「積み木を持とう」とすると、その動きをAIが解析して、自然の手の動きに近い形でサポートしてくれます。重量がありそうに見えますがユニット自体は500g程度と比較的軽量です。

特に手の麻痺の患者様は手を開く動作が障害されていることが多いですが

それも専用のワイヤーで補助してくれます。


こういった動作訓練を繰り返すことで少しずつ効果を実感していけることになると言われています。


当院では痙縮に対するボツリヌス療法やショックマスターなども行っておりますが

動作そのものの再獲得という目標に際してはこうったデバイスは有効な手段になりえるのではと考えております。


今回は3週間のデモに限定されますが、適応がありそうな患者様には了承をいただいたうえで

施行しています。 

地域の中で脳卒中を諦めないために、今後もこういった最新機器などの知識や研鑽は続けていきます。


以下MELTzのリンク:

手指運動リハビリテーションシステム「MELTz (メルツ)」 - MELTIN MMI


※効果の実感については個人差があります。