2025.10.09
安心してMRI検査を受けていただくために
こんにちわ。
強面だけど実はとてもやさしいでおなじみの検査技師Sです。
前回までの記事では、頭部MRI検査の特徴や、なぜ狭いトンネル内で検査するのかについて紹介してきました。この記事で皆さんのMRI検査に対する疑問や不安が少しでも解消されたら幸いです。
今回は、安全かつスムーズに安心してMRI検査を受けていただくために「MRI検査を受けるときの注意点」について説明していきますので、MRI検査を考えている方は是非ご一読ください。
MRI検査は、非常に強い磁場と電磁波を使って体内の状態を画像にする検査です。そのため、体内に機械や金属類があると危険な場合があり、検査を受けられないことがあります。
そこで、MRI検査を受ける際に注意すべきいくつかの点について説明していきます。
〇検査前に必ず確認していただきたいこと(検査を受けれない可能性がある)
・心臓ペースメーカや埋め込み式除細動器(ICD)を使用している方(検査不可)
・人工内耳・中耳を装着している方(検査不可)
・神経刺激装置や可変式シャントバルブなどの医療機器を装着している方:①
・可動性義眼を装着している方:①
・脳動脈瘤クリップや各種ステント、人工関節などの金属が体内に入っている方:①
・入れ墨やタトゥー、アートメイク(眉など)を入れている方:②
・妊娠中または妊娠の可能性がある方:③
①上記の医療機器には、MRI検査に対応しているものや、検査前に特別な処理が必要なものがあります。そのため、検査を受ける際は必ず医師に相談と確認が必要です。また、金属の種類や埋め込まれている位置によっては検査に支障をきたす場合があるため、これについてもまた医師と相談し、検査が可能か確認する必要があります。
②インクに含まれている金属成分が発熱し、まれに火傷を負う可能性があるため検査を受ける前にご本人の同意と確認が必要です。
③胎児への影響について、まだ確立された報告がないため、妊娠している可能性のある方や妊娠16週未満の方は、原則検査をおこないません。
〇検査当日の準備と服装
検査当日は安全かつスムーズにMRI検査を行うために、以下の点にご注意いただく必要があります。
・金属のボタンやファスナー、ホックなどが付いた衣類は避けて、着脱しやすい服装でお越しください。
*基本的には検査服に着替えて検査を行います。
・ネックレスやピアスなどのアクセサリー類や、補聴器や腕時計、携帯電話などの電子機器は、検査前に全て
外してください。
*強い磁気に引き寄せられて事故の危険性や機械が壊れてしてしまう可能性があります。
・メイクやヘアセットなどの化粧品、カラーコンタクト、マグネットネイル等は検査当日はできるだけ控えてください。
*アイシャドーやマスカラ、白髪染めパウダーなどの成分には、磁性体と呼ばれる金属成分が含まれている場合があり、検査画像に影響を与える可能性や発熱して火傷する可能性があります。カラーコンタクトやマグネットネイル等も同様に金属成分が含まれていることがあるため注意が必要です。特に頭部や目の周辺の検査の場合には、検査前にお化粧を落としたり、カラーコンタクトを外したりしていただく場合があります。
MRI検査は、X線などの放射線を使わないため、放射線被ばくの心配がない比較的安全な検査です。しかし、非常に強い磁場を使うため、国内外で金属が引き寄せられる大小さまざまな吸着事故が発生しています。
当クリニックでは、このような危険な事故を未然に防ぎ、安心して検査を受けていただくため、MRI検査の前に必ず問診や金属探知器による確認を行っています。もし何かご心配なことやご不明な点がありましたら、お気軽に検査スタッフにお尋ねください。
いかがだったでしょうか。今回は「MRI検査を受けるときの注意点」について説明させていただきましたが、この説明が少しでも安心して安全にMRI検査を受けていただける手助けになれば幸いです。