zarazara

2026.10.02

台風が近づくと頭が痛い

「台風が来る前になると、決まって頭が痛くなる」

「天気予報を見るより先に、頭痛で天気が分かる」

「雨の日は頭が重くて、仕事や家事に集中できない」

当院の頭痛外来に 最近よくいらしゃる患者さんの訴えです。


特に台風が多くなる時期は、

「また気圧か……」

と、頭痛を我慢している方も少なくありません。

ですが「気圧のせいだから仕方がない」と諦める必要はありません。


台風と頭痛には、本当に関係があるの?

あります。

『頭痛の診療ガイドライン2021』でも、一部の片頭痛患者では、台風・低気圧・湿度などの気象変化によって頭痛が悪化することがあるとされています。

ただし、ここで大切なのは、「低気圧=全員が頭痛になる」わけではないということです。

つまり問題は、単純に「気圧が低いこと」だけではありません。

もともとの頭痛のタイプや、その人自身の頭痛の起こりやすさを考えることが大切です。


「私は気圧頭痛です」とお話しされる患者さんは少なくありません。

しかし実際の診療では、その頭痛の背景に片頭痛が隠れていないか?を考えます。

例えば、

✓ ズキズキ・ドクドクする

✓ 動くと頭痛が悪化する

✓ 頭痛と一緒に吐き気がある

✓ 光や音がつらくなる

✓ 頭痛で仕事や学校、家事に支障が出る

✓ 天候が崩れるたびに繰り返す

このような場合には、片頭痛が関係している可能性があります。

「もともと片頭痛があり、気象変化が発作のきっかけの一つになっている」

と考えたほうが、その後の治療につながることがあります。


台風は止められない。でも、頭痛への備えはできる。

台風そのものを避けることはできません。

だからこそミロクでは、「気圧を避ける」より「頭痛に備える」という考え方を大切にしています。

① 自分の頭痛パターンを知る

「雨が降った日に痛くなる」のか、

「台風が来る1~2日前から痛くなる」のか、

「睡眠不足+低気圧が重なった日に痛くなる」のか。

頭痛ダイアリーなどを使って記録すると、自分のパターンが見えてくることがあります。


②台風の日ほど生活リズムを崩さない

天候が悪い日は外出が減り、起床時間が遅くなる

昼寝が長くなる

食事を抜く

水分摂取が減る

運動量が減る

など、普段とは違う生活になりがちです。

片頭痛では、気象だけでなく複数の要因が重なって発作につながることがあります。

そのため、「台風の日こそ、いつも通り」を意識してみてください(なかなか難しいと思いますが)。


③ 我慢し続けてから薬を飲まない

頭痛が始まっても、薬を飲みたくないと耐えてしまう方がいます。

しかし片頭痛では、適切なタイミングで急性期治療を行うことが重要です。

一方で、あまり効果のない頭痛薬を頻繁に使用している場合には、薬剤使用過多による頭痛に繋がる場合もあるので要注意です。

「いつ飲むか」だけでなく、「何を、月に何日くらい使っているか」まで含めて治療を考える必要があります。


毎回台風で寝込むなら、「予防」という選択肢があります。

この予防がとても大事です。

「また頭痛が来るかもしれない」と不安になっていませんか?

頭痛のために予定をキャンセルしたり、仕事を休んだり、休日を一日寝て過ごしたりする。

その不安やストレスが次の片頭痛へつながるという悪循環にもなり得ます。


そのため片頭痛には急性期治療だけでなく、発作そのものを減らすための予防治療があります。

現在は従来の予防薬に加えて、CGRP関連薬など、片頭痛治療の選択肢も増えています。


ミロクが目指しているのは、「頭痛を我慢する生活」からの卒業です。

私たちが頭痛外来で大切にしているのは、「今日の痛みを止めること」だけではありません。

月に何回痛むのか。どんな日に痛むのか。仕事や学校をどのくらい休んでいるのか。

休日を頭痛で失っていないか。家族との時間を諦めていないか。


そこまで聞いて初めて、本当の意味での頭痛治療が始まると考えています。

台風は止められません。

でも、台風が来るたびに頭痛で寝込む生活は変えられる可能性があります。

「昔からだから」

「体質だから」

「天気のせいだから」

と諦める前に、一度ご相談ください。


台風や頭痛に左右されない生活を目指しましょう。