2024.06.02
めまいの原因
頭痛と並んで当院でも多い患者さんの訴えの1つがめまいです。
特に季節の変わり目などはめまいを感じる方も少なくなく、「何かの病気かも」と不安になることもあるかと思います。
今回はそんなめまいの原因について簡単にまとめてみます。
めまいといっても、その症状は多岐にわたります。
回転性、浮動性、立ちくらみなど。原因は単純なものから深刻なものまで幅広く、適切な診断と治療が重要になります。
めまいの種類
めまいは大きく3種類に分類されます。
1. 回転性めまい
- 天井がグルグル回るような感覚
- 多くは内耳の疾患が原因
- 代表的な疾患:メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎
2. 浮動性めまい
- フワフワするような感覚
- 脳の疾患や貧血などが原因
- 代表的な疾患:脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、貧血
3. 立ちくらみ
- 立ち上がったり、長時間同じ姿勢をとった後に起こる
- 低血圧や脱水などが原因
- 代表的な疾患:低血圧症、起立性調節障害
代表的な疾患
めまいの原因となる疾患はとても多くあります。原因不明であることも多いのですが代表的な疾患をいくつか考えてみます。
- メニエール病: 内耳のリンパ液の異常が原因で起こるめまい。回転性めまい、耳鳴り、難聴などを伴う。
- 良性発作性頭位めまい症: 頭の向きを変えることで起こるめまいのこと。短時間の回転性めまいが特徴。
- 前庭神経炎: 内耳の平衡感覚に関わる前庭神経が炎症を起こすことで起こるめまい。回転性めまい、吐き気、嘔吐などを伴う。
- 脳梗塞: めまいのほかに、半身麻痺、言語障害などの症状が現れる。
- 脳出血: めまいのほかに、頭痛、嘔吐などの症状が現れる。
- 脳腫瘍: 脳にできる腫瘍。めまいのほかに、頭痛、意識障害などの症状が現れる。
- 低血圧症: 血圧が低下することで起こるめまい。立ちくらみ、ふらつきなどを伴う。
- 起立性調節障害: 自律神経の機能が低下することで起こるめまい。立ち上がったり、長時間同じ姿勢をとった後に起こりやすい。特に小児では症状が目立ちやすい傾向にあります。
- 貧血: 赤血球数やヘモグロビン量が少ないことで起こるめまい。立ちくらみ、息切れ、疲労感などを伴う。
生活習慣との関わり
めまいは、生活習慣によって引き起こされることもあります。以下に、めまいの原因となる生活習慣をいくつか紹介します。
- 睡眠不足: 自律神経の乱れや脳血流の低下を引き起こす。
- ストレス: 自律神経の乱れや血圧の変動。
- 偏食: 栄養素の偏り。
- 脱水: 脳への血流を低下させる。
- 運動不足: 血行不良や筋力低下による。
- 喫煙: 血管を収縮させ、脳への血流を低下させる。
- 過度な飲酒: 脱水や自律神経の乱れ。
このようにめまいは、様々な原因によって引き起こされる症状です。原因によっては、適切な治療が必要となるため、めまいが頻繁に起こる場合は、まずは医療機関を受診することが大切です。
また、生活習慣を見直すことで、めまいの予防や改善に繋げることができます。睡眠をしっかりとる、ストレスを溜めない、バランスの良い食事を心がける、適度な運動をする、禁煙・禁酒をするなど、健康的な生活を心がけましょう。