2023.03.12
今年度実績から伝えたい事
少し早いですがとりあえず先日をもって今年度の大きな発表は終了しました。
10人規模のクローズドなものから全国1500人規模のものまで幅広く経験させていただき
合計10本の講演会・セミナーの場をいただきました。
関係者のみなさんありがとうございました。
全て「山形のニューロリハビリテーションの展望」を中心として痙縮や地域連携に重きをおいたものになります。
3-4年前から活動を続けてきてまして、最近少しずつ周知の気配を感じます。
山形の中心部はもちろんですが南部や北部地域までのリハビリ関係者の方が興味をもってくれること
本当にうれしく頼もしく思っています★
以前より痙縮治療は私たちのライフワークの1つであるということを述べてきました。
それは、痙縮という病態が急性期から回復期・生活期に至るあらゆる場面で問題になってくるからです。
急性期(亜急性期)であれば、痙縮が発現することによって歩行機能獲得や装具作成(長下肢装具から短下肢装具への移行)
の妨げになることもあります。
もちろん、発現した痙縮を最大限活かして機能学習をすすめる手段もありますが、
症例や目指す目的によって明確に使い分ける必要があります
例えば痙縮がすすんでこういった足になることを内反尖足(ないはんせんそく)と言います。
ここまで重度になってくると痛みも伴いますし、足趾や爪の変形なども伴い、
装具やマッサージ・刺激療法だけでなんとかしていくには限界があります。
本来はここまでにならないように訓練指導を行うべきでありますが、どうしても免れない症例もあります。
ここでボツリヌス療法という筋肉を柔らかくしてあげる注射があるんですよ。ということを知っているかどうか。
その効果が高エビデンスで推奨されていることを理解してるかが、とても重要になってきます。
ボツリヌスで痙縮をある程度緩めてあげて、その症例毎の歩容に即した装具を処方し
訓練の質と量を担保していく。そうすることで少しでも正常に近い形で歩行獲得を目指せる可能性がでてきます。
生活期では、回復期までの病院生活の中で得た機能を最大限に活かす必要があり、
もちろん「現在の機能状態の中でできることをしよう」ということも大事ですが
定期的な痙縮も含めた全身状態の見直しの中で、さらに機能面をあげれる要素はないかというのを常に
観察することも必要と思います。
ほんの少しのプラスの変化が大きな自信につながることもありますし
そういった患者さんを多く経験してきました。
痙縮治療はすいった点を自覚的・客観的にもみやすい病態の1つかと思い活動を続けています。
脳卒中をあきらめない。
その目標のためにミロクリハメンバーは学会参加・発表などの研鑽を重ねていきます。