zarazara

2025.03.31

生活習慣病予防とダイエット ~健康的に体重を落とす「インスリンモデル」とは~

こんにちは。当院で働く理学療法士のMです!


今回は「生活習慣病」と「ダイエット(減量)」についてお話しします。

生活習慣病の代表例には、高脂血症、糖尿病、高血圧症があります。これらは放置すると、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める重大な病気ですが、生活習慣を改善することで予防・改善が可能です。その最も効果的な方法のひとつが「ダイエット(減量)」です。

「主治医の先生に体重を落とすように言われた」「ダイエットしたいけど、何をすればいいのかわからない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、健康的かつリバウンドしにくい「インスリンモデル」に基づくダイエット方法を紹介します。

 

1.カロリー制限だけではダメ?リバウンドしやすい理由

「カロリーを減らせば痩せる」という考え方は間違いではありません。しかし、単にカロリーを減らすだけでは、健康的に痩せることが難しく、リバウンドしやすいという問題があります。

極端なカロリー制限をすると、筋肉量が減少し基礎代謝が低下することでリバウンドしやすくなります。また、体重は減ったように見えても、主に水分が減少しているだけで、脂肪は落ちにくい状態になります。

では、どうすれば効率的に脂肪を減らすことができるのでしょうか。その鍵を握るのが「インスリン」です。

2.脂肪の蓄積にはインスリンが関係している

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血液中の糖を細胞に取り込ませ、エネルギーとして利用させる働きを持っています。しかし、糖が余ると、それを脂肪として蓄積する作用もあります。

さらに、インスリンには脂肪の分解を抑制する働きもあるため、分泌量が多いと体脂肪が減りにくくなります。つまり、インスリンが過剰に分泌されると、脂肪が蓄積しやすくなるのです。

では、どうすればインスリンの分泌を抑えられるのでしょうか。次の章で詳しく解説します。

 

3.インスリンモデルに基づくダイエット方法

◇糖質の接種を適度に抑える

糖質を摂取すると血糖値が急上昇し、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。そのため、急激な血糖値の変動を防ぐことが重要です。

◇避けたい食品(血糖値が急上昇しやすい)

  • 白米、パン、パスタ
  • 砂糖を多く含む食品(ジュース、お菓子 など)

◇おすすめの炭水化物(血糖値が上がりにくい)

  • 玄米、全粒粉パン、雑穀米
  • 低GI(グリセミック・インデックス)

*GI(グリセミック・インデックス)とは、食品を摂取した後の血糖値の上がりやすさを示す指標です。GI値が高い食品ほど血糖値が急上昇し、低い食品ほど血糖値がゆるやかに上がります。

◎GI(グリセミック・インデックス)の分類

  • 高GI(70以上) → 血糖値が急上昇しやすい
    • 白米、食パン、うどん、じゃがいも、砂糖
  • 中GI(56~69) → 血糖値がやや上がりやすい
    • 玄米、ライ麦パン、さつまいも、バナナ
  • 低GI(55以下) → 血糖値が上がりにくい
    • 大豆製品、ナッツ類、葉物野菜、全粒粉パン

 

◇タンパク質・脂肪をしっかり摂る

「ダイエット=食事量を減らすこと」と思われがちですが、実はタンパク質や良質な脂質をしっかり摂ることが、インスリン分泌のコントロールに役立ちます。


◇おすすめのタンパク質

  • 肉・魚
  • 卵・大豆製品

 


◇おすすめの脂質

  • オリーブオイル
  • ナッツ、アボカド

 

◇食べる順番を意識する

「ベジファースト」といって、野菜から食べることで血糖値の急上昇を抑えることができます。

◇おすすめの食べる順番

  1. 食物繊維(野菜・海藻・きのこ類)
  2. タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)
  3. 糖質(ご飯・パン・麺類)

この順番で食べるだけでも、血糖値の急上昇を防ぎ、インスリンの分泌を抑える効果があります。

 

 

 

4.インスリンモデルに基づいた生活習慣をつけよう

 

◇適切なタイミングで運動を取り入れる


運動をすると、筋肉にエネルギーを送るため一時的に血糖値を上昇させるグルカゴンというホルモンが分泌され、インスリンの過剰分泌を防ぐ効果があります。そのため、運動のタイミングとしては、血糖値が急上昇する食後が最適です。


◇おすすめの運動

  • 筋トレ(スクワットなど大きな筋肉を使う運動)
  • 有酸素運動(ウォーキング・ジョギング など)

*スクワット注意点:

★つま先より膝が前に出ない 

★背中を丸めない



◇インスリンモデルダイエットのメリット

  • 脂肪が蓄積しにくくなる
  • 空腹感が少なく、ストレスが少ない
  • 血糖値が安定し、健康的な体調を維持できる
  • リバウンドしにくい

インスリンの働きを意識することで、単なるカロリー制限よりも健康的に体重を管理できます。

 

5.糖尿病の方への注意点

糖尿病の方がダイエットを行う際は、一般の方以上に注意が必要です。インスリンの働きが乱れているため、図のように食後の血糖値上昇パターンが異なります。

糖尿病の方は、血糖値のコントロールが必要ですが、極端に糖質を制限すると、低血糖のリスクが高まることがあります。特に、インスリン療法や経口血糖降下薬を使用している方は、自己判断で糖質を極端に減らさないようにしましょう。

主治医と相談しながら、適切な糖質量を設定することが重要です。




6.まとめ

「インスリンモデル」に基づくダイエットでは、インスリンの分泌を抑えることで脂肪をためにくくすることができます。

◇ポイント

  • 糖質を適切に抑え、血糖値の急上昇を防ぐ
  • タンパク質・良質な脂質をしっかり摂る
  • 野菜から食べるなど食事の順番を工夫する
  • 適度な運動を食後に行う

無理なく続けられる方法なので、ぜひ試してみてください!