zarazara

2023.04.03

認知症に向き合う

アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」のアメリカでの承認、日本での申請など

認知症関係の様々なニュースが最近出てくるようになりました。

とてもいいことだと思います。

日本人にとって認知症は国民病です。 

外来受診の際に物忘れが心配で、と相談されることも少なくありません。


ミロクは認知症にもしっかり向き合います。


まず認知症の簡単な現状を整理してみます。

2019年における65歳以上の認知症有病者数は約520万人、それが2025年には約675万人に増えると推計され、2050年では約797万人。これは高齢者人口の21.8%に相当すると言われています。

 日本では高齢化が進むにつれて、認知症の人口も増加します。また、男性よりも女性の方が認知症の有病率が高いこともわかっています。85~89歳では女性48.5%、男性35.6%となります。90歳以上になると女性71.8%、男性42.4%となっています。


そもそも認知症とは、脳の機能が低下して、記憶や判断力、言葉や行動などに障害が生じる病気です。認知症にはさまざまな原因やタイプがありますが、現在では完治する方法は残念ながらありません(多くの研究はすすめられています)。

しかし、それは治療やリハビリをする意味がないということではありません。認知症のリハビリは、脳に刺激を与えて、認知機能の低下を遅らせたり、改善したりすることを目的としています。また、認知症の方の生活の質を高めたり、介護者や家族とのコミュニケーションを促進したりすることも目的としています。

 

認知症のリハビリは、様々種ありますが、ここではいくつか代表例を簡単に紹介します。

 

学習療法

学習療法とは、頭の体操とも呼ばれるような活動を行うことで、脳の活性化や認知機能の維持・改善を図る方法です。例えば、計算やパズル、言葉遊びなどがあります。これらの活動は、脳の前頭前野という部分を刺激することで、記憶や判断力などに効果があるとされています。学習療法は自宅でも行えるため、手軽に始められます。

 

回想法

回想法とは、過去の思い出を話したり聞いたりすることで、脳を活性化させる方法です。認知症の方は、近い記憶よりも昔の記憶が鮮明に残っていることが多いです。そこで、写真や音楽などを使って過去を思い出すことで、記憶力や自己肯定感を高めたり、心を安定させたりする効果が期待できます。回想法は家族や介護者と一緒に行うことで、コミュニケーションも深められます。

 

運動療法

運動療法とは、体を動かして血流や酸素供給を良くし、脳に栄養を届けることで、認知機能の低下抑止や改善をもたらす方法です。運動療法は認知症予防にも効果的だとされており、ストレッチやラジオ体操などの軽い運動から始めることがおすすめです。

 

音楽療法

音楽療法とは、音楽を聴いたり、歌ったり、演奏したりすることで、認知症患者の心身の健康を促進する方法です。音楽には、記憶や感情に関係する脳の部位を刺激する効果があります。音楽療法では、患者の好きな曲や思い出の曲を選んで聴かせたり、一緒に歌ったりします。これにより、患者の気分が明るくなったり、記憶が呼び起こされたりします。また、音楽に合わせて体を動かしたり、楽器を演奏したりすることで、運動能力や協調性も向上します。

 

VR(仮想現実)療法

VR(仮想現実)療法とは、コンピュータやスマートフォンなどのデバイスを使って、患者に仮想の世界を体験させる方法です。VRでは、患者は自分が好きな場所や時間に行けたり、過去の思い出を再現したりできます。これにより、患者の興味や好奇心が刺激されたり、自己肯定感や幸福感が高まったりします。また、VRでは、患者に認知トレーニングや生活指導などの情報も提供できます。

 

また患者さんと実際に関わっていくご家族の相談や介護方法の共有なども欠かすことはできません。

私たち医療者が見る患者さんは、24時間の中で切り取られたほんの数分の姿だけです。

そこだけを見て「よくなっている」「変わりない」などを決めることは、少なくとも私のレベルでは

自信がありません(診察能力が足りないだけとお𠮟りを受けるかもですが)


患者さん本人とご家族双方に寄り添いながら、本当に診るべき症状をブラッシュアップしていくことが

とても大事と考えていて、そこにはどうしても時間がかかってしまいます。

現在でも私の診察は長いと揶揄されることがありますが、そこは手を抜きたくない部分であり

効率の良いシステムをしっかりと構築していく事で補っていきたいと思います。


ミロクリハではこういった様々な治療法を組み合わせて、かつ客観的に評価した指標を患者さんに提示できるようなデバイスも使用しながら準備をすすめています。