2025.01.09
パーキンソン病って治るのか?~新人セラピストがまとめてみました~
新年、あけましておめでとうございます。
ミロクでは一番若手のMです!
「去年を超える事」
を目標にミロクスタッフ一同頑張って参ります。今年も何卒よろしくお願い申し上げます。
「パーキンソン病」
皆さんも一度は耳にしたことのある人が、多いのではないでしょうか?
そんなパーキンソン病ですが、結論から言いますと(現時点の治療では)完治させることは出来ません。
話題のiPS細胞の実用化など将来性のある治療は見込めますがもう少し先になりそうですね。
だからといって、あきらめる必要はありません。
厚生労働省でもリハビリテーションを勧めているようにパーキンソン病に対するリハビリテーションの効果は、近年の研究でも明らかになっています。
現在の治療方法としては、薬物療法+リハビリテーションが治療の中心となっています。
薬物療法で症状の進行を遅らせて、リハビリテーションで現在の身体機能を維持・改善させることが出来ます。
皆さん、ここで疑問に思うことがあるでしょう。
どこでリハビリテーションをうけられるのか…
自分はリハビリテーションをうけてもいいのか…
そんな疑問がある方は、ぜひ一度当院を受診して気軽に院長先生へ相談してみてください。
クリニックの雰囲気はもちろん。院長先生をはじめスタッフ一同暖かく、アットホームな雰囲気です!
さてここからは、リハビリテーションの重要性についてもう少し掘り下げてお話していきます。
1.どんな症状が出るの?
「振戦」・・・指先や足、顎の震え(特に安静時)
「筋固縮」・・・筋肉が固くなり、動かしにくくなる。
「無動」・・・動作が緩慢になったり、反応が遅くなる。
「姿勢反射障害」・・・後ろに倒れやすくなったり、倒れるときにバランスがとれなくなってしまう。
これらはパーキンソン病の中でも4大症状と呼ばれており、特に初発症状として多いのは「振戦」「無動」が上位を占めています1)
他にも、「疲れやすさ」「意欲の低下」「気分が晴れない」「表情の乏しさ」「立ちくらみ」などが非運動性の症状としてあげられます。
2.どんな症状で困っている人が多いの?
当院の患者様の訴えでも多い
「一歩目の出しにくさ」「姿勢が前傾してくる」「声が出しにくい」「よく転んでしまう」「食べ物が飲み込みにくい」
これらの症状で悩んでいる方が多いようです。
ご家族からは、「よく転ぶから一人で歩かせられない」「腰が曲がってきている」「以前より活気がなく元気がなくなってきている」こんな訴えもよくお話していただきます。
3.どんなリハビリをしたらいいの?
2.で話した症状や訴えに対し、リハビリテーションを行うことは重要です。そして当院には「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」というそれぞれの分野に特化したセラピストが在籍しております。
役割については今後のblogにて説明させて頂くことにして…
パーキンソン病のリハビリはこのすべての職種が早い段階から関与することが重要です。
歩けない・作業ができない・話せない・飲み込めないetc
将来的に出現する可能性のある症状に対して予防なども含めた早期アプローチが必要なのです。
そんな我々が患者様の個々の症状にあわせた運動プログラム、自主トレーニングメニューをご指導させていただきます。
中でも大切なプログラムは「二重課題」です。
運動機能動作と認知機能動作を同時にすることで、処理能力が限られてしまっているパーキンソン病患者さんの能力を引き出すというものです。
例えば、、患者さんの中に「歩いてるとき目の前に物があったとき、止まろうと思っても止まれずぶつかってしまう」
という訴えがあります。
これは本来は、歩くという運動機能に加えて、目の前の障害物を察知して脳に止まれ!と命令する認知機能というのが同時に働いて
初めて止まれるのですが、パーキンソン病ではこの両立が難しくなっているため止まれないのです。
なので訓練ではこれを並行させます。
歩きながらしりとりをする。 好きな音楽のリズムにあわせて作業する。
そういった一見シンプルなタスクですがパーキンソン病のリハビリにおいてはとても有効と報告がされているのです。
さらに進行期の方では症状の日内変動が大きい方もいますので訓練時間の工夫なども必要ですし
通院手段の確保が難しい方には「訪問リハビリテーション」も当院は行っておりますので
スタッフやケアマネさんに相談してみてください。
今回はパーキンソン病をテーマにお話しさせていただきました。
こんなテーマがいい!など要望があれば随時受け付けておりますので当院のスタッフまでお声がけください!
1)谷口章:厚生労働省特定疾患治療研究事業臨床調査個人票の集計結果からみたパーキンソン病患者の現況 臨床神経,48:106-113,2008