2023.01.26
リハビリテーションとは
当院の特徴の1つに「リハビリテーション科」が主診療科になっているというのがあります。
多くの先生方にご高配いただいて
脳神経外科専門医+リハビリテーション科専門医という全国でも決して多くはないダブルライセンスを
取得することができたからこそ「脳卒中をあきらめない」ための予防を含めた全身管理と
リハビリテーションを併用していけるものと考えたからです。
ではそもそもリハビリテーションとは何か?というのを振り返ってみます。
リハビリテーション(rehabilitation)は「re(再び)」+「habit(適した)」を合わせた言葉で
「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」なども意味をもちます。
その定義はいくつかありますが、代表的な1つに
身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能にすることによって、各人が自らの人生を変革していく事を目指し、且つ時間を限定したプロセス」 世界障害行動計画:1982
と述べられてます。
いつまでも漫然と長くやるのではなく、しっかりとゴールと期間を決めてそのうえで行うべき医療行為の1つ。だということになります。
今では、日常生活のあらゆる場面で「リハビリ」という言葉を耳にする機会は増えました。
私自身、それだけ多くの可能性を持っている分野で、今後ますます社会の中で必要とされることと確信しています。
WHO(世界保健機関)は
リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含む。
リハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として環境や社会に手を加えることも目的とする。
そして、障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない。 世界保健機関:1981
手足をうまく使えるようになる訓練(機能訓練)と、その能力を日常生活の中でうまく使えるようなシステムを
地域社会の中で作っていきましょうね。
まさに今の時代のリハビリの在り方に近い考え。
これを40年も前に提唱しています。(さすがWHO、スゲーって思いますね💦)
ですが、やはりリハビリの原則は医療行為であり、それゆえに取り巻く制度やシステムもとても複雑なものになっています。
発症してからの日数でも違います。
診断名でも違います。
医療保険、介護保険でも違います。
年齢でも違います。
本当に複雑です。
うまくそのシステムにのれず、必要と思われる十分なリハビリ環境を提供できないという場面も多く経験しました。 いわゆる「リハビリ難民」と言われたりもしますが、そういった患者さんを減らすことも
当院の目標の1つにあります。
リハビリテーションという大きな基盤の中で、1人でも多くの患者さんに
自分らしい生活を取り戻してもらいたい。その背中をおしてあげたい。
地域の他職種の方々にお力添えいただきながら、その思いを形にしていければと思っています。